2025年9月18日

渋谷歯医者矯正歯科の澤田尚哉です。
本日のブログのテーマは『矯正で横顔を綺麗にするには?渋谷の歯科医が解説』です。
「歯並びを整えたい」と矯正相談に来られる方の中には、同時に 「横顔を綺麗にしたい」 というご希望をお持ちの方も多くいらっしゃいます。
口元の突出感や顎の位置は、横顔の印象に大きく影響するため、矯正治療は単に歯並びだけでなく、顔全体のバランスを改善する手段でもあります。
本記事では、歯科医の立場から「横顔を綺麗にする方法」について、矯正、ヒアルロン酸、骨切り手術との違いなどを含めて解説します。
横顔の美しさの基準「Eライン」とは?

横顔の美しさを語る上でよく出てくるのが Eライン(エステティックライン) です。
これは 鼻の先端と顎の先端を結んだ線 のことです。主に言われていることは、
・日本人では上下の唇がEラインよりやや内側にあるのが理想
・口元が突出してEラインから大きく前に出ていると「口ゴボ」と呼ばれ、横顔にコンプレックスを抱きやすい
矯正治療では、このEラインを意識しながら 抜歯矯正や奥歯の移動 を行うことで、口元をスッキリ見せることが可能です。
美容外科か矯正か悩んでいるあなたへ
横顔を綺麗にしようと思った際選択肢に出るのはおそらく4つだと思います。
・矯正
・骨切り(セットバック)
・ヒアルロン酸
・プロテーゼ
ではこの4つの中で選択する場合何を基準に選べばいいのでしょうか。
歯科医の立場から解説していきます。
まず、最初は歯科医院に行くことをお勧めします。理由としては歯科医院では歯並びはもちろん、横顔のレントゲン(セファログラム)を撮影することで上下の顎の位置、鼻の高さまでを見ていきます。その上で歯科で対策可能なのか不可能なのかを診断していきます。

大きく分けると以下の通りです。
歯並び➕口元が気になっている
こちらの場合の同時に両方の改善が認められるため矯正がおすすめです。
矯正後にさらに気になる場合はそこから他の選択肢を考えるのがいいでしょう。
歯並びは整っているが横顔が気になる
こちらの場合は横顔が気になる原因は骨格的に上顎が出ている、下顎が下がっている、鼻の高さが相対的に低いなどの原因が考えられます。
矯正にて上顎を下げたり、下顎を前に出すのには限界があるため骨切り。鼻の高さを出すヒアルロン酸、プロテーゼなどがおすすめです。
時間を気にされる方
矯正には約2年という期間がかかってきます。期間をかけずに横顔の改善は美容外科での治療がおすすめです。
矯正で横顔はどのように変わる?
1. 歯の位置を整える
前歯が前に傾斜していると口元が出っ張って見えます。
矯正で抜歯したり、前歯を後方に移動させると、口唇の位置も自然に内側に下がり、Eラインに近づくことが期待できます。
2. 奥歯の位置をコントロール
歯の動きは上下の顎の回転にも影響します。
例えば、奥歯を圧下(沈めるように動かす)すると、顎が自然に回転して前方に位置が変わり、オートローテーションと呼ばれる効果が起こります。
オートローテーションとは?
オートローテーション(Auto-rotation) とは、歯や顎の位置を変えることで、顎全体が自然に回転し、顔のバランスが変化する現象です。
・クロックワイズ・ローテーション(時計回り)
→ 下顎が後方・下方へ回転し、顎が引っ込んで見える
→ 出っ歯・口ゴボの印象が強くなる
・カウンタークロックワイズ・ローテーション(反時計回り)
→ 下顎が前方・上方へ回転し、フェイスラインがシャープに見える
→ 横顔を整えるために望まれることが多い
矯正治療では奥歯の位置やかみ合わせを調整することで、このオートローテーションをコントロールし、横顔を美しく見せる効果を狙います。
横顔改善を目指す矯正の具体例
抜歯矯正
小臼歯を抜いてスペースを作り、前歯を後退させる。
理想のEラインに近づける代表的な方法。
非抜歯矯正
歯列拡大や奥歯の後方移動でスペースを確保する。
骨格により適応は限られる。
矯正+外科矯正
重度の骨格性不正咬合では、矯正単独では限界があります。
顎変形症として保険適応になる場合もあり。
まとめ
矯正治療は「歯並びを整える」だけでなく、横顔の美しさを改善する手段でもあります。
・Eラインを整えることで、口元のバランスが良くなる
・奥歯の位置を調整し、オートローテーションを利用することでフェイスラインを改善できる
・骨切り手術に比べてリスクが少なく、自然な変化を得やすい
矯正はご自身の土台を整える治療だと思っております。矯正でも改善しない場合に追加で美容治療をすることで、美容治療の効果も倍増すると思います。
「歯を動かすだけ」で、想像以上にお顔の印象が変わることがあります。
横顔にコンプレックスを感じている方は、矯正でどこまで改善できるか一度歯科で相談してみてください。