2025年9月25日

渋谷歯医者矯正歯科の澤田尚哉です。
本日のブログのテーマは『セラミックってどうやってできるの?歯科医がわかりやすく解説』です。
歯の治療でよく耳にする「セラミック」。
銀歯を白い歯に替えたり、歯の形や色を整えたりする際に選ばれることが多いですが「セラミックってどうやってできるの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
先日、歯科技工士さんのラボに見学に行ってきました。
実はセラミックはただの白い詰め物ではなく、細かい工程を経て、オーダーメイドで作られています。
今回は、セラミックの素材や製作の流れを、歯科医の立場からわかりやすく解説します。
セラミックってどんな素材?
歯科治療で使う「セラミック」とは、簡単に言えば 医療用の焼き物(陶材) です。
天然の歯に近い色や透明感を再現できるため、審美性に優れています。
セラミックといっても種類があります。
ジルコニアセラミック:強度が高く、臼歯やブリッジに適している
オールセラミック:金属を使わず、透明感があり前歯に適している
ハイブリッドセラミック:レジン(樹脂)と混ぜた素材で、比較的安価
用途や場所によって最適な種類が選ばれます。
セラミックができるまでの流れ
1. 口腔内の型取り
虫歯治療や土台の形成を行い、セラミックが正確に入るスペースを作ります。
その後、歯型を取るか、口腔内スキャナー(iTeroなど)でデジタル印象を行います。
2. 設計(デジタルまたは技工士によるワックスアップ)

従来法:石膏模型を作り、技工士がワックスで歯の形を再現
デジタル法(CAD/CAM):コンピューター上で歯の形を設計
患者さんの噛み合わせや見た目を考慮しながら、自然な形に仕上げます。
3. セラミックの加工

設計データをもとに、セラミックブロックを削り出す(ミリング) か、粉末を焼き固める方法で成形します。
CAD/CAMミリング:短時間で精度の高いセラミックを削り出す
加熱焼成法:陶材を何層にも盛り、焼き固めて仕上げる
4. 色合わせ・焼成

歯科用の窯(ファーネス)で高温焼成を行い、強度を高めます。
また、表面に着色や透明感を加えることで、天然歯のような質感に近づけます。
5. 試適・調整
完成したセラミックを口に合わせ、噛み合わせや見た目を確認します。
微調整の後、歯科用セメントで装着し、治療完了となります。
セラミックの特徴とメリット
・見た目が自然
天然歯と見分けがつかないほどの美しさを再現できます。
・変色しにくい
レジン(プラスチック)の詰め物に比べ、長期間色が安定します。
・汚れがつきにくい
陶器の茶碗を想像していただくと、汚れがつきにくいのがイメージできると思います。
・金属アレルギーの心配が少ない
オールセラミックやジルコニアは金属を使わないため、アレルギーリスクが低いです。
・歯との適合が良い
精密に作られるため、二次虫歯になりにくいのもメリットです。
・変形しない
金属やプラスチックは熱膨張係数が歯と比べて大きいです。色々な温度の物をお口に入れるので変形してしまいますが、セラミックは温度による変化が少ないです。
セラミック治療が向いているのは?
・銀歯を白くしたい
・前歯の見た目をきれいにしたい
・歯の形や大きさを整えたい
・長くきれいな歯を維持したい
・2回目の虫歯になりたくない
特に渋谷のように人前に出る機会が多い方、接客や営業のお仕事の方に選ばれることが多いです。
まとめ|セラミックは完全オーダーメイドの“芸術品”
セラミック治療は、
・歯型採得やデジタルスキャン
・コンピューター設計(CAD/CAM)や技工士の手作業
・焼成・色付け・調整
こうした複数の工程を経て完成する、オーダーメイドの治療法です。
単なる「白い歯」ではなく、精密で美しく、機能性の高い補綴物であることがおわかりいただけたかと思います。
銀歯の見た目が気になる方、口元をもっと自然にしたい方は、ぜひ一度セラミック治療についてご相談ください。