2025年10月20日

渋谷歯医者矯正歯科の澤田尚哉です。
本日のブログのテーマは『矯正後の保定ってどれくらいしたらいいの?どんな種類があるの?』です。
「矯正頑張ったけど終わってからもまだ装置が必要なの?」「どれくらいつけるの?」という質問をよく受けます。
実は矯正治療のゴールは、歯を動かすことではなく「整えた歯並びを安定させること」にあります。
そのために欠かせないのが、保定(ほてい)と呼ばれるステップです。
今回は、渋谷の歯医者が「保定とは何か」「どれくらいの期間必要なのか」「どんな種類があるのか」を分かりやすく解説します。
保定(リテーナー)とは?
保定とは、矯正で動かした歯を安定させるために装置で固定しておく期間のことです。
このとき使う装置を「リテーナー」と呼びます。
矯正治療で歯を動かすと、歯の根を支える骨や歯ぐき、筋肉はすぐには新しい位置に馴染みません。
つまり、治療直後の歯は「元の場所に戻ろうとする力(後戻り)」が強い状態なのです。
そのため、リテーナーを正しく使わないと、歯並びは数か月で崩れることも。
せっかく時間と費用をかけた矯正治療が無駄になってしまうケースもあります。
保定期間はどれくらい必要?
一般的に、保定期間は最低でも1〜2年が目安です。
ただし、歯並びの状態や年齢、治療法によって差があります。
🔸 矯正直後〜1年目
歯の周囲の骨がまだ柔らかく、後戻りのリスクが最も高い時期。
➡ 1日22時間以上の装着が必須(食事・歯磨き時以外は常につける)
最低でも4〜5ヶ月はしっかり22時間つけましょう。歯肉繊維のコラーゲン繊維が安定するまでに4〜6ヶ月はかかります。可能であれば2年間はしっかり長時間保定しましょう。
🔸 2年目以降
歯が少しずつ安定してきたら、夜間だけの装着に移行することもあります。
➡ 就寝時のみ保定(約8〜10時間)
🔸 3年以降〜
ほとんどの患者さんはこの時期にリテーナーを外しても問題ありませんが、
理想は「一生保定」です。パジャマを着る感覚で寝る際はつけていて欲しいです。
なぜなら、年齢を重ねると歯ぐきの形や筋肉のバランスが変化するため、
長期的な安定を保つにはメンテナンス的な保定が大切です。
リテーナー(保定装置)の種類
① マウスピース型リテーナー(クリアタイプ)

インビザラインなどで使われる、透明なマウスピース型。渋谷のように仕事や外出が多い方には、見た目が自然で扱いやすいため人気のタイプです。
メリット
透明で目立たない
違和感が少なく、会話も自然
食事・歯磨きのときに外せる
デメリット
紛失しやすい
しっかり装着しないと後戻りしやすい
② ワイヤー固定型リテーナー(フィックスリテーナー)

前歯の裏側に細いワイヤーを固定するタイプ。特に下の前歯の安定に優れており、ワイヤー+マウスピースのダブル保定を行う医院も多いです。
メリット
つけっぱなしでOK(24時間固定)
装着忘れの心配がない
後戻りを強力に防げる
デメリット
歯磨きがしにくく、汚れが溜まりやすい
定期的なクリーニングが必要
③ プレート型リテーナー(ホーレータイプ)

金属ワイヤーとアクリルプレートで作られた、昔からあるタイプ。症例に応じて「プレート→マウスピース」など段階的に移行することもあります。
メリット
調整しやすく、適応範囲が広い
強度が高い
寝るときだけ使うケースが多い
デメリット
見た目がやや目立つ
違和感が強い場合もある
保定中に注意すべきこと
保定期間を成功させるポイントは継続と清潔にすることです。
・毎日装着を続ける
→「少しなら外してもいいか…」が後戻りの原因に。
・リテーナーを清潔に保つ
→専用洗浄剤でのケアが大切。歯ブラシで強くこすると変形の恐れがあります。
・定期的な歯科チェック
→3〜6か月に1回、かみ合わせ・リテーナーの適合をチェックしてもらいましょう。
まとめ|保定はとても大切!!
保定期間は最低1〜2年、理想は長期的な継続です。矯正後の後戻りから部分矯正をされる方が増えています。矯正が終わったばかりの方、今矯正をしている方はしっかり保定をしましょう。
リテーナーをつけるのをサボると後戻りのリスクが高まります。定期的な歯科医院でのチェックと清掃が大切です。
矯正治療が終わっても、歯が一生動かないわけではありません。「せっかく整えた歯並びを長くキープする」ために、保定は“最後の大切なステップ”として続けていきましょう。