2025年9月07日

渋谷歯医者矯正歯科の澤田尚哉です。
本日のブログのテーマは『妊娠中の歯科治療は安全?渋谷の歯医者が解説』です。
「妊娠中に歯が痛くなったけど、歯医者に行っても大丈夫なのかな?」
「出産後は忙しくなるから妊娠中に治療しちゃいたいけど大丈夫?」
「レントゲンや麻酔、薬は授乳や赤ちゃんに影響しないの?」
妊娠中の女性から、よくいただく質問です。
結論からいうと、妊娠中でも歯科治療は安全に受けられます。むしろ、虫歯や歯周病を放置することの方が母体や赤ちゃんに悪影響を与える可能性があります。
今回は「妊娠中の歯科治療」について、受けられる治療、注意点、セルフケアの方法を渋谷の歯医者が詳しく解説します。
妊娠中はなぜ歯のトラブルが増えるの?
妊娠中はホルモンバランスの変化や生活習慣の影響で、口の中の環境が悪化しやすくなります。
・つわりで歯磨きがしにくくなる→プラーク(細菌)の停滞
・食べづわりで間食が増える → 虫歯のリスク増加
・女性ホルモンの増加 → 歯周病菌が活発になりやすい(妊娠性歯肉炎という病名があるくらいです。)
・免疫力の低下 → 歯ぐきが腫れやすい
👉 特に「妊娠性歯肉炎」は妊婦さんの約半数が経験すると言われています。放置すると歯周病が進行し、早産や低体重児出産との関連も指摘されています。
妊娠中に受けられる歯科治療
1. レントゲン撮影
歯科用レントゲンは放射線量が非常に少なく、防護エプロンを着用するため胎児への影響はほぼありません。
むしろレントゲンを避けて正しい診断ができない方がリスクになります。
2. 麻酔
局所麻酔(歯科治療でよく使う麻酔)は胎児に影響しないとされています。
必要な場合は遠慮なく使用できます。無理に痛みを我慢するとストレスや炎症が母体に悪影響を与えることも。
3. 薬の処方
抗生物質や痛み止めも、妊婦さんに安全とされる薬が処方されます。
医師・薬剤師が妊娠週数や体調に合わせて適切な薬を選ぶため安心です。
抗生物質:ペニシリン系、セフェム系は妊婦にも使用可
痛み止め:アセトアミノフェンは安全、NSAIDsは妊娠後期は避けるべき
4. 治療のタイミング
安定期(妊娠5〜7か月頃)が最も適しています。
初期(妊娠1〜4か月)は応急処置が中心、後期(妊娠8〜10か月)は体勢が負担になりやすいため応急対応が基本。
妊娠中に避けた方がいい処置
・長時間の外科手術(親知らずの抜歯など) → 出産後に延期することが多い
・全身麻酔を伴う処置
・不要な薬の使用
👉 基本的に「母体や胎児に負担の少ない治療はOK」「緊急性が低い治療は出産後に延期」が原則です。
授乳中の歯科治療は基本的に可能?
授乳期は妊娠中と比べて制限が少なく、通常の歯科治療の多くは安全に行えます。
ただし、授乳に影響を与える薬や処置には注意が必要です。
1. 麻酔について
局所麻酔(リドカイン)は母乳に移行する量がごくわずかで、授乳への影響はほぼありません。
治療中に使う少量の麻酔であれば安全に授乳を続けられます。
👉 「麻酔を使ったら授乳は中止しなきゃ?」と不安になる方がいますが、通常の歯科麻酔で授乳を止める必要はありません。
2. 抗生物質について
歯科で処方される抗生物質のうち、授乳中に比較的安全とされているのは
・ペニシリン系(アモキシシリンなど)
・セフェム系(セファクロル、セフジニルなど)
⚠️ テトラサイクリン系は母乳を通じて乳児の歯や骨の発達に影響を与える可能性があるため避けられます。
3. 痛み止めについて
・アセトアミノフェン(カロナールなど) → 授乳中も安全性が高く第一選択
・イブプロフェン → 短期間の使用であれば影響少ないとされる
・アスピリン → 母乳中に移行しやすく、乳児への副作用リスクがあるため避けた方がよい
4. レントゲンについて
歯科用レントゲンは放射線量が非常に少なく、母乳や赤ちゃんへの影響はありません。
授乳中だからといってレントゲンを避ける必要はありません。
5. 治療の進め方の注意点
長時間の治療は体への負担になるため、短い時間で分けて行うのが安心
薬を処方された場合は、授乳直後に服用すると母乳への移行がさらに少なくなる
どうしても心配な場合は、服薬後2〜3時間程度空けて授乳する方法もあります
妊娠中におすすめの歯科ケア
1. 定期検診・クリーニング
妊娠中こそプロのケアが必要です。
ホルモンバランスの影響で妊娠性歯周炎になりやすいので、歯石やバイオフィルムを除去し、歯周病の進行を防ぎましょう。
2. セルフケアの工夫
・柔らかめの歯ブラシでやさしく磨く
・フッ素入り歯磨き粉を使う
・つわりで歯磨きが辛い時はうがい薬やキシリトールガムを活用
3. 食生活の見直し
間食が増える場合は糖分の少ない食品を選ぶ。
食後に水やお茶で口をすすぐだけでも効果的です。
まとめ|妊娠中の歯科治療は安全に受けられます
・妊娠中の歯科治療は基本的に安全。むしろ放置する方がリスク。
・レントゲン・麻酔・薬も、必要な範囲なら問題なし。
・治療のベストタイミングは安定期(5〜7か月)。
・妊娠中は歯周病が悪化しやすく、早産や低体重児のリスクにも関与。
渋谷で「妊娠中でも歯医者に行っていいのかな?」と不安な方は、ぜひ当院にご相談ください。
母体と赤ちゃんの健康を第一に考えた、安心できる治療プランをご提案します。